排外主義にNO!福岡
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今月のブロガー:かせたにのつぶやき(HN:kase551)
発信者は、福岡県で朝鮮学校との交流や支援、排外主義に反対する活動を続けている。それらに関する内容だけでなく、お酒や音楽など多様な内容で発信している。http://kaseyan.exblog.jp
2009年12月に、京都の朝鮮学校を排外主義集団が襲撃した事件は、その悪質さに強い憤りをおぼえるとともに、日本社会における排除の圧力の根強さを実感させるできごとだった。
この事件を契機として、わたしは「このままでいいのか? 何かやらなくてはいけないのではないか?」という思いを強めた。そして、2009年7月に福岡市内で行なわれた「7・20排外主義によく効く表現行動 福岡」(http://720action.blog85.fc2.com)の実行委員たちに呼びかけた結果、2010年2月5日に「排外主義にNO! 福岡」の立ち上げ集会が開かれた。
集会では、福岡朝鮮初級学校の校長先生による現状報告に続き、「排外主義の背景を知る」と題して、わたしが発題した。排外主義団体などによる妨害が懸念され、不本意ながら警備要請などを行なうこととなったが、70人を超える人たちが会場に集まり、立ち上げ集会は無事終了した。
同化の圧力と排除の圧力
わたしが福岡での生活をはじめたのは、2002年3月。その年の10月、『西日本新聞』の社会面を目にした私は唖然とした。そこには、同年7月に、福岡市内の約半数の小学校で、生徒の「愛国心」を評価するという内容の通知表が配布され、それに対して在日コリアンと日本人によって構成される市民団体・「ウリ・サフェ」が人権救済を申し立てたと記されていた。
このような通知表を平然と作成・配布する感覚に、わたしは唖然とするのみだった。
愛国心のABC評価というおぞましさは、日本社会における同化の圧力のおぞましさだ。
この「愛国心通知表」は、ウリ・サフェをはじめとする各方面からの異議提示・問題提起によって、翌年度からの福岡市内の全小学校での不採用が決定した。しかしその過程において、ウリ・サフェのホームページ(HP)掲示板には悪質ないやがらせの書き込みが殺到し、同HPは掲示板を閉鎖せざるを得なくなった。これは、日本社会における排除の圧力の悪質さを物語っている。
排除の圧力は、朝鮮学校に対してもかけ続けられている。2003年にはじめて福岡市内の朝鮮学校を訪問したとき、当時の校長先生は、「拉致問題」がマスコミで大きく報道されてから、学校へのいやがらせの電話や手紙が急増したとおっしゃっていた。
あれから7年。朝鮮学校への迫害は、いまだに続いている。
入学おめでとう!祝うっ隊
「排外主義にNO!福岡」立ち上げ集会での現状報告をお願いするために、福岡朝鮮初級学校を訪問したとき、玄関で偶然出会った生徒が、かわいい声であいさつしてくれた。
「アンニョンハシムニカ!」
あいさつを返しながらわたしは、「なぜこの子たちが排除されなければならないのか?」という思いを、あらためて強く抱いた。
立ち上げ集会から約1ヶ月が過ぎ、第1回の月例会が開かれた。会議でわたしは、朝鮮学校の入学式に「おめでとう!」「チュッカヘヨ(朝鮮語での「おめでとう」)!」などのプラカードやのぼりを掲げて新入生を祝福する、「入学おめでとう!祝うっ隊」を提案した。これは、2003年から神奈川県で続けられている「入学おめでとう応援隊」(http://omedetou.npgo.jp)にならったものだ。事前に学校側の了承を得て、また、「入学おめでとう応援隊」実行委員の方からもメールなどでアドバイスをいただき、われわれ「祝うっ隊」は4月4日、手製ののぼりやプラカードを手に、「おめでとう!」「チュッカハムニダ!」と声を挙げていた。
あくまでもわれわれが一方的にお邪魔しているという点を忘れず、来年以降も続けていければと思う。
わたしが目指すもの
「排外主義にNO!福岡」はようやく立ち上がり、よちよち歩きを始めた段階にすぎない。これからわれわれが、具体的にどのような活動をしていくのかが、大きな課題だといえる。
ただ、わたしが目指すものははっきりしている。排外主義的言動に傾きそうな人たちに、「あれ、あの考え方(排外主義的考え方)は、なんかおかしいなぁ」と感じさせること、そして、「よくぞ日本人に生まれけり!」(人気マンガ『美味しんぼ』より)など、さまざまなところに姿を見せる「日本人特権意識」に対して、「あれ、この物言いってなんかおかしいなぁ」と疑問を抱く人たちを、ひとりでも増やしていくことが、わたしの目標だ。
イオ編集部より3つの質問Q1:ブログを始められた動機は? A:自己満足の「つぶやき」であっても、蟷螂の斧であっても、問題意識を発信できる便利な道具だと思ったから。 Q2:ブログを通して一貫して訴えたいことは? A:さまざまなことがらに関心を持ち、自分の頭で考えて、自分のことばで語ること。 Q3:お薦めのブログがあれば紹介してください A:
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